サクラの木をよく見ると、ときどきネバネバした茶色の樹液が出ていることがあります。そのかたまったものは時に琥珀のようなきれいな色になっています。このネバネバした樹液は人の血にあたり、かたまったものはかさぶたになります。傷ついた木がその傷を治すために出すのがこの樹液になのです。傷を付ける犯人、ならぬ犯虫がこのコスカシバになります。よくよく探してみるとかなり多くのところでネバネバを見ることができるのですが、なぜかコスカシバは見る機会が少ないです。昼間にもっと飛んでいるはずなのですが。
コスカシバはトックリバチの仲間などの黒地に黄色の模様があるハチに化けているベイツ型擬態のガです。昼間飛んでいても、その姿はハチそのもの。姿形だけでなく、飛び方などの行動も真似をしています。きっと見落としているものが多いに違いありません。
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